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清野賀子写真集『THE SIGN OF LIFE』

品切れ

発売:2002年6月15日

総頁数:132頁(写真点数=カラー写真60点)
体裁:タテ253mm×ヨコ351mm、ハードカバー
定価:7000円+税
ISBN:4-9901239-0-5

2000年・2001年撮影

テキスト
今枝麻子「すべての創造の回路をショートさせる」

『THE SIGN OF LIFE』は、写真家・清野賀子による新作60点を集成した写真集です。彼女の活動を雑誌などの仕事を通して目にしているファンも多いことかと思いますが、まとまった形での作品の発表は、本書が初めてとなります。これまで写真家、編集者、美術関係者など、写真好きの人たちの間で話題になっていた彼女の写真の魅力を十分にお楽しみいただける、待望の写真集です。中型カメラで撮影された写真のディテールや微妙な色彩は、Web上ではとても再現できないのですが、ご参考までに収録したいくつかの作品をここにご紹介いたします。

『THE SIGN OF LIFE』に収録された写真は、千葉、茨城、青森、愛媛、高知など、すべて日本国内で撮影されています。にもかかわらず、ここには日本の風景として類型化しているような写真は一点もありません。普段私たちが繰り返し目にする、絵葉書的な日本の風景写真は、残念ながら、決して現代を代弁はせず、21世紀を生きる私たちにフィットする感覚からはほど遠いものです。しかしなぜか、人影もなく、一見何の変哲もない静謐な清野賀子の写真には、私たちが共有できる現代の感覚が記録されています。彼女が本書で提示した60の場所は、それぞれに日本のどこかで見たことのある、けれどもあらためてその魅力について思考されることのなかった場所と言えるでしょう。

    ……一般に西欧言語のなかでいう意味でのアイデンティティ、つまり自己と歴史と民族と国家のきしみのなかで個としての自分の根拠を発見する、といったアイデンティティのありようとはちがうものが、清野賀子の写真にはある。ほとんど無人の風景を撮った写真に、アイデンティティという言葉を使うのは奇妙にきこえるかもしれないが、ウィリアム・エグルストンの撮ったアメリカ南部の写真についてユードラ・ウェルティが述べたように、これらの風景写真は私たちのポートレイトでもある。……ここにあるアイデンティティのありようの新しさは、これらの写真の、ひたすら胸に迫るような美のなかに含み込まれてあるために目につきにくいかもしれないが、とても革命的なものなのだ。
    ――本書収録の今枝麻子「すべての創造の回路をショートさせる」より抜粋

清野賀子(せいの・よしこ)略歴
1962-2009

東京生まれ。1995年より写真を始める。

個展
1996 「Yoshiko Seino with Switch」コム・デ・ギャルソン本店、東京
1999 「Emotional Imprintings」ギャラリー小柳、東京
2003 「The Sign of Life」ヴィンタートゥーア写真美術館、スイス
2008 「a good day, good time」ギャラリーTRAX、山梨
   「a good day, good time」プンクトゥム、東京

グループ展
1998 「Gel」ダメリオ・テラス、ニューヨーク
2000 「Sensitive」カオール写真祭、カオール、フランス
   「反記憶??現代写真II」横浜美術館、横浜
2001 「Surface: Contemporary Photography, Video and Painting from Japan」オランダ写真センター、ロッテルダム
2003 「Japan: Cotemporary Ceramics and Photography: Tradition and Presence」ダイヒトアホール、ハンブルク
2004 「コモン・スケープ??今日の写真における日常へのまなざし」宮城県美術館
2007 「Towards a New Ease」ヴィンタートゥーア写真美術館、スイス

写真集
『The Sign of Life』、オシリス、2002年